河合隼雄、佐藤文隆(編)「現代日本文化論13・日本人の科学」岩波書店、1996年。
◎問われる科学者のエートス 佐藤文隆
・近代科学の離陸
福沢「物理学の要用」、フランシス・ベーコンの経験論(4つのイドラから解放されるべき)
・制度としての離陸
科学社会学(ロバート・マートン)。科学に認めた良きエートス(習慣)=公有制、普遍主義、私的利益からの会報、統計的懐疑主義。
・現代社会での科学の諸相
・文化的世界での科学
・囚われない精神
◎見ることと見えたもの 日本における学問と「科学」の意味 山田慶兒
・見ること
岩倉使節団「米欧回覧実記」
・技術科学
・「科学」の成立
・フィルター
・技術的思考
・体内の風景
・「科学」を超えて
◎自然災害は天災か 日本人の災害観 廣井脩
・はじめに
・災害観とは何か 災害文化と災害観
・日本人の災害観
落語「天災」
「天譴(てんけん)論」天が人間を罰するために災害を起こすという思想。
運命論
・現代人の災害観
天災と人災
映画:「大地震(1974年。マーク・ロブソン監督)と「地震列島(1980年。大森健次郎監督)
・おわりに 災害観は何をもたらすか
◎暑さと日本人 気象から見た日本文化論の一例題 倉嶋厚
・日本の夏、ヨーロッパの夏
・夏とサマーの語感の違い
・水稲栽培の季節感
・避暑、夏休み、サマー・タイム
・家の作りやう
・モンスーン・アジアの文化論
・従来の気象風土論の破綻
・冷房の普及
・クーラーはぜいたく品か?
・暮らしの無季化
・冬型民家への移行 北海道にはサマーがある
・北日本の気候と米作文化
・郷土資料館的日本文化論の危惧
・おわりに
◎科学する心 森毅
・科学への屈折
・江戸から明治へ
・アカデミズムの陰で
・情報化の未来へ
◎学問(サイエンス)と智見(ノウレジ) 漢字イデオロギーによる伝達の編制 桂英史
・「近代的」(モダン)の語感をめぐって
・「空間」という精神の装置
明治維新は「市民革命」ではなく、劇的な「コミュニケーション革命」である。
・帰属のトポス
前島密
・学問と智見
・語構成という編制(ディスクール)
・文書主義と漢字イデオロギー
◎巨大科学技術の現在 メタルカラーの文化と課題 山根一眞
・日本の科学技術をどのように評価するか
・高度な技術社会を支えるメタルカラーの文化
ホワイトカラー、ブルーカラー、メタルカラー
・明石海峡大橋建設工事における精密技術
・シールドマンにおける土木技術と工業技術の融合
・技術における創造と模倣
・日本の科学技術の未来へむけて
◎社会の中の科学、科学にとっての社会 黒田玲子
・科学の世紀
・科学の明暗両面性
・広がるグレーゾーン
・確率を与える科学
・個人の判断が求められる社会
・科学者自身の責務
・科学の”インタープリター”が必要
伝えてほしい科学の面白さ、尽きない科学の謎
実験現場への理解
科学的思考の大切さ
人の心・社会の仕組みへの配慮
表現能力
・科学普及への模索
・優れたインタプリターの養成
・他分野との積極的交流を
・科学技術と社会のよりよい関係を
◎科学の将来 中山茂
・日本文化と科学の変容
科学と技術の区別が付かない
斜陽に立つ物理帝国主義
機械論よりも有機体論、そして情報化社会
古くは男子の学問を学(がく)といい、女子と小人のやることを芸(げい)といって区別した。
・ポスト冷戦期の体制構造変換
アカデミック・サイエンスの行方と戦略的科学
モード変換論(Gibbons, 1994)
近代日本、西洋近代の軍事技術の進歩へのパラノイア
・将来の方向
学界で評価される=アカデミズム科学、一般市民によって評価される=サービス科学
インターネット評価機構の可能性
◎科学技術のゆくえ 河合隼雄
・日本人と科学
・宗教と科学
自然科学の法則は「臆断」によってはじめて見いだされる。ヨーロッパにおいてのみ近代科学が生まれてきた事実の背後には、それに必要な「臆断」を持ちやすい母胎として、キリスト教があったことを認めるべき。
・科学と身体性
・人間の科学
・科学技術の未来
村上陽一郎「近代科学を超えて」講談社学術文庫、1986年。
佐藤文隆「科学と幸福」岩波書店、1995年。
中谷宇吉郎「科学と社会」岩波新書、1949年
中山茂「転換期の科学観」日本経済新聞社、1980年。
赤木昭夫「インターネット社会論」岩波書店、1996年。
村上陽一郎「科学者とは何か」新潮選書、1994年。