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2010年6月 5日 (土)

バタフライ・エフェクト、サイド・エフェクト

バタフライ・エフェクト、サイド・エフェクト

江戸時代の浮世本から。

風が吹き砂ぼこりが舞い、砂が目に入る。そうすると、目が不自由になる人がでてくる。そんな人たちが三味線を生業(なりわい)にするようになる。多くの三味線が必要になるため、猫の皮の需要が増える。猫が減ると、ねずみが増える。ねずみが増えると、桶(おけ)がかじられることが多くなる。桶の修理依頼が増え、桶屋が儲かる。

俗に「風が吹くと桶屋が儲かる」で知られている有名なお話です。似たような言い回しで、アメリカで行われた、ある講演会のタイトル「ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こすか」があります。これが派生しこなれた表現になっているのが、「北京で蝶が舞うと、ニューヨークで嵐が起こる」です。これが「バタフライ・エフェクト」と呼ばれているお話です。

半ば強引にまとめてしまうと、「ちょっとした出来事が、意外な出来事を引き起こす原因になる」といった感じ。カオスな(混とんとした)状態から生じる、いろいろな事柄の予測は難しいのですね。

風が吹くことと、桶屋の商売の状況に何のつながりがあるの? と思わせておいた上で、因果関係を順番に見ていくため、お話として楽しく聞けます。しかし、起きた結果から逆にその原因を辿っていくと、とても”ご都合主義”的です。桶の修理依頼が増えるのは、ねずみがかじらなくとも、例えば、長梅雨による湿気で桶が腐りやすくなったので、でもよいからです。つまり「必然性」、原因はそれ(だけ)でなければならないのか、という問題が付きまといます。

ある小さな出来事が、思いもしないことに発展していることは、きっとあるでしょう。さらに、原因を作った張本人が、その後おこったことに全く気がついていないことも、もっとあるでしょう。原因から結果へと通じる道は一本ではなく、多く分岐しているのでしょうから、普段、目にする現象は、もともとかなり予想外なのです。
(やすだ)

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