(コラム)理科のしくみ_命の住む星
No.110 命の住む星
この宇宙には、少なく見積もっても1000億個以上の天体を含む銀河が数1000個以上あると言われています。その中で、地球のような、生命体の存在する星がたった1つというのは、あまりにも哀しいですよね。地球のほかにも、生命が存在する星があってもよさそうだ、と考えるほうがより自然かもしれません。
1.ドレイクの式
もし、地球のような環境条件を持つ星が他にもあったとしたら、私たち人間のような知的生命体がいてもおかしくありません。生命体の存在の可能性を方程式に表した天文学者がいます。フランク・ドレイクというアメリカの科学者です。彼は「宇宙文明方程式(通称:ドレイクの式)」を導き出しました。以下がその式です。
N =[R*]×[fp]×[ne]×[fl]×[fi]×[fc]×[L]
N : この銀河系内に現在存在する文明社会の数(個)
R*: 銀河系で誕生する恒星の1年当たりの平均の数(個)
fp: それらの恒星が惑星系を持つ確率
ne: その惑星系内で生命体が発生・進化しうる星の数(個)
fl: その惑星で生命が発生・進化する確率
fi: その生命体が知的生命体にまで進化する確率
fc: その生命体が他の異星文明に対して
コンタクトをとりうるほどの高度な技術を発達させる確率
L : その高度な技術文明がどれほど長続きするかの平均寿命(年)
2.計算してみよう
では、実際に計算してみます。
(1)R*: 銀河系で誕生する恒星の1年当たりの平均の数
R* は銀河系の恒星の数を銀河の年齢で割ったものになります。銀河系の恒星の数が1500億個で、銀河系の年齢が宇宙の年齢(150億年)とほぼ等しいとすれば、R*=10となります。
(2)fp: それらの恒星が惑星系を持つ確率
地球のような惑星は、太陽と同じくらいの規模の恒星でないと誕生しないという説があります。そのような恒星の誕生する確率を0.05とします。さらに、太陽が2つ以上あるのではなく、現在のような1つの恒星がある太陽系が生まれる確率を0.1とします。この2つの確率を掛け合わせると、このfpの値は0.005となります。
(3)ne: その惑星系内で生命体が発生・進化しうる星の数
太陽系と同じように考えると、1です。
(4)fl: その惑星で生命が発生・進化する確率
地球と同じように考えると、これも1です。
(5)fi: その生命体が知的生命体にまで進化する確率
地球と同じように考えると、これもまた1です。
(6)fc: その生命体が他の異星文明に対して
コンタクトをとりうるほどの高度な技術を発達させる確率
知的生命体にまで進化したのであれば、それに見合うだけの技術力もついていると判断し、これも1とします。
(7)L : その高度な技術文明がどれほど長続きするかの平均寿命
いまの地球の現代文明がどれだけ保たれるかは分かりませんが、仮にこの値を1000年としておきましょう。
計算結果は、「50個」です。
その幅が約10万光年といわれる銀河系に、「知的生命体の住む星は50個である」という結果を、あなたはどう見ますか?多いと思いますか、少ないと思いますか。
しかし、ドレイクの式は単なる宇宙人さがしの式というわけではありません。私たち地球人が、宇宙や文明に対して、どのような考えを持っているか、ということが反映されているのです。
もし、Lの値が200年であると考えれば、計算結果は5分の1の10個になるのです。もし、地球以外の生命体にめぐり逢いたければ、私たちの文明をできるだけ長く維持しなければならないことにもなるのです。
2000.11.11
| 固定リンク
「(コラム)理科のしくみ」カテゴリの記事
- (コラム)理科のしくみ_氷が水に浮くのは変だ?(1999.09.18)
- (コラム)理科のしくみ_ペットボトル(1998.10.10)
- (コラム)理科のしくみ_赤ワイン(1998.10.17)
- (コラム)理科のしくみ_ハイブリッドカー(1998.10.24)
- (コラム)理科のしくみ_レコードとCD(1998.10.31)





